見えない未来への対処方法3つ

ただ、こういった未来予測を当てられた人は、ほとんどいません。いろいろ予測しても、結局どうなるかわからない。では何か起こったときに、うまく対処するにはどうすればいいか。そこで今、国際社会において最も有効とされているのが「レジリエンス」です。日本語で言うと強靭性とか回復力といったところでしょうか。どうなるのかわからないから、大前提として組織に柔軟性を持たせましょうと。そのうえで、未来への対処の仕方が3つあります。これらはビジネスパーソンにも参考になると思います。

写真=iStock.com/Grandfailure
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(1)シナリオプランニング

1970年代にロイヤル・ダッチ・シェルというヨーロッパ最大の石油会社が、このシナリオプランニングという手法を使って避難訓練のようなことをやりました。ランド研究所の図上演習のようなものです。おかげで、この会社はオイルショックをうまく乗り切れたという歴史があります。

(2)トレンド・スポッティング

今、世界中の人たちがスマホを使っていますが、実は10年ぐらい前からスマホのタネはありました。iモードです。iモードがスマホに発展したのです。つまり、これから世界ではやるタネは、すでに現状の中にあるわけで、未来に備えるには現状をよく見ることが大切ということです。こうした、すでに存在するトレンドを注意深く読み解く手法を、トレンド・スポッティングといいます。

(3)SF(サイエンス・フィクション)や未来戦記

SFや未来戦記は突拍子もないように見えますが、実際に映画『スタートレック』の中には、すでに音声認識するアレクサのようなものが出てきます。自動運転の開発者はアメリカの特撮テレビドラマ『ナイトライダー』を見て研究したともいわれます。未来のものをつくるときのヒントは、すでにSFの中にあるのです。実は今、台湾有事に関する未来戦記が出ています。『2034 米中戦争』(二見書房)という未来小説です。興味のある人は、ぜひ読んでみてください。

台湾有事に関しては、起こってほしくないけれど、起こるかもしれないと想定して、起こったときには動揺しないことがいちばん大切です。そういう可能性があるなら、預金を現物に変えておく、暗号資産に移しておく、そういった対処の仕方もあります。いざ起こったときにパニックの陥らないように、心の準備だけはしておきたいものですね。

(構成=池田純子)
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