バブルのピークは2023年ころやってくる
それは過去のテーパリングを見てもわかります。米国はリーマン・ショック後の経済回復を後押しするため、QE1(第一弾)からQE3(第三弾)までの金融緩和を実施しました。
その後のテーパリングは、2014年1月から10月まで実施されています。そのときのS&P500の動きを見ると、上昇が続いています。
もし、テーパリングによって世界経済が崩れ始めたら、FRBはテーパリングをやめて金融緩和に逆戻りするでしょう。
以上を総合すると、これから2、3年はバブルの崩壊はないと考えています。逆に僕は1989年の日本株バブルのようなバブルが米国株にやってくるのではないかと思っています。
テーパリングが終了し金利の引き上げが始まるとどうでしょうか。2014年のテーパリングの際も1年ほどが経過した15年末から金利の引き上げを実施しています。この金利はFFレートと呼ばれるもので米国の金利の基準となるものです。
金利の引き上げは段階的に行われていますが、その間もS&P500の上昇は続いています。
また、著名なヘッジファンドマネジャーであるレイ・ダリオ氏によると、米国の覇権はピークアウトしつつあるといいます。日本のバブルの際にも日本経済がピークアウトする前に一度バブルがきています。米国もそうなるのではないでしょうか。
以上を総合的に考えて、これから2、3年は米国株が基本的に堅調な状態が続き、2023年くらいにバブルのピークがやってくると考えています。長ければ2027年くらいまで続くかもしれません。
PERが40を超えたら逃げる用意をしよう
バブルは資産を増やす絶好のチャンスではありますが、撤退する時期が重要になるのです。その判断は、S&P500のPERを参考にするといいでしょう。
ITバブルは45倍弱まで上がりましたし、ニフティ・フィフティ相場も対象銘柄の平均は40倍でピークアウトしました。
一方でNASDAQ100のPERは、ITバブルのときに60倍程度まで上昇しましたし、日本株のバブルでも日経平均株価のPERは60倍までいきましたから、PERは40倍から60倍で想定しておくといいでしょう。
そして、PERが40を超えたら逃げる準備をしておきましょう。といっても、株価が上昇している間は売る必要はありません。バブルはどこまで伸びるかわからないからです。
バブルの終盤で一気に1.5倍程度に上がることもあります。「PERが40倍を超えたら売り」と決めてしまうと、大きな利益を逃がしてしまう可能性があります。相場が崩れ始めてから売却するのがお勧めです。