大切な仕事をやるのは1日2回

私たちが本当に集中できる時間は、1日のうちわずかです。常に高い集中力を保ち続けることはできません。

このわずかな時間を有効活用できるかどうかで、行動の「質」は変わってきます。ちなみに、「集中しやすい時間帯」は人によってさまざまです。

先ほど、就業前までの朝時間は、最も外部要因に左右されにくい時間帯だと解説しましたが、この時間以外にも、早朝、昼前、夕方など集中しやすい時間帯はその人のライフスタイルによってそれぞれあるでしょう。

その時間帯に30分間、「一番大事なこと」に本気で取り組んでみてください。この時間に、普段先延ばしにしがちだけど、自分にとって大切なこと、本当にやりたいことに取り組めたらベストです。いわゆる「緊急ではないが重要なこと」です。私はこれを「本気の30分」と呼んでいます。

時間帯とやるべきことが決まったら、オリンピック選手が本番に臨むときのように全てを出しきってください。その際、耳栓をしたり、タイマーでカウントダウンしたりすれば、より集中できます。

30分が2回で1日1時間。これを継続すれば、1年で200時間(1年で200日働くと仮定)もの超生産的な時間を手に入れることができます。

気分転換の時間も設定する

仕事の失敗や思い通りにいかないことは、立て続けに起こるものです。こんなとき、気分転換がうまい人は、すぐ気持ちを切り替えることができます。一方、気分転換が苦手な人は、悪い状態を引きずってしまう傾向があります。

この違いはどこにあるのでしょうか。

それは、あらかじめ気分転換の方法を決めているかどうかです。

大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』(かんき出版)

行動力のある人が「いつも絶好調」というわけではありません。むしろ、たくさん動くぶん、うまくいかないことも増えるわけです。それでも行動し続けられるのは、落ち込んだ気分や集中力を回復し、リフレッシュするための方法、すなわち「自分の取扱説明書」を持っていて、いつでもすぐに実行できるようになっているからです。

具体的には、深呼吸やストレッチ、散歩、甘いものを食べるなど、数分で簡単にできること、昼寝や運動など30分くらいあればできるもの、旅行やキャンプ、釣りなど、まとまった時間が必要なものの3種類を決めておくといいでしょう。こうすることで、リフレッシュが必要になったとき、状況に応じて、すぐに気分転換できるようになるのです。

また、気分転換は、「これが終わったら○○できる」という「ご褒美効果」も期待できます。心と体をリフレッシュして仕事を速く片付けることができる方法ですので、ぜひ試してみてください。

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