「同じ」と「公平」は異なるもの
「われわれが行った多くの調査で、柔軟な働き方は当該社員と雇用主が一対一で取り決めるのではなく、集団として実施される場合にのみうまくいくという結果が出ている」と、ベイリンは言う。忘れてはならないのは、自分の勤務スケジュールはチーム(同僚や直属の上司)に影響を及ぼすということだ。だから、新しい取り決めを成功させるためにはチーム全員の支持を得る必要がある。柔軟なスケジュールによって自分が何を達成しようとしているのかを説明して、彼らのアドバイスを求めよう。
「プランや提案の作成に彼らを参加させ」、自分の提案には同僚たちの提言も盛り込まれているのだということを上司に理解させよう、とベイリンは言う。
チームを参加させることは、上司の多くが抱くもうひとつの不安を和らげるのにも役立つ。誰かひとりに柔軟なスケジュールを認めたら、堰を切ったようにみんながそれを求めるようになるのではないかという不安である。これはたいていの場合根拠のないものだ。フリードマンは「同じ」と「公平」は違うと指摘しており、実際、多くの人が従来どおりのスケジュールのほうを好んでいる。
「みんなに同じものを与える必要はない。みんなが同じものを望んでいるわけではないからだ」
自分の提案を説明する際には、個人的な利点より組織にとっての利点を強調することが大切だ。
「どのようなプランであれ、自分と家族のことだけを考えたものにならないよう、きわめて意識的に作成する必要がある」と、フリードマンは言う。
「提案するプランは、職場での自分自身のパフォーマンスを向上させ、上司を成功させるという明確な目的を持つものでなければならない」。会社のニーズを考慮したプランであり、混乱を生じさせるどころか自分の生産性の向上や関連知識の増大など、実際的な利点を持つものであることをはっきり伝えよう。
試行を始めて3、4カ月たったら、その成否を評価しよう。自分は目的を達成しているか、スケジュールが誰かに迷惑をかけていないかといった点を検討しよう。試験的なものとして作成したプランなのだから、上司に結果を報告すべき時期だ。
「自分の生産性向上を裏付けるデータを入手し、新しいスケジュールがうまくいっていることを実証しよう」と、フリードマンは言う。うまくいっていない場合は、進んで調整案を出そう。