「このまま事態を幕引きすることは許されない」と読売社説

11月25日付の読売新聞の社説は「テニス選手告発 疑惑を深める中国の情報隠し」との見出しを掲げ、「中国の人権抑圧や言論の封殺に対する国際社会の批判を、中国自らが情報隠しによって増幅させている形だ。このまま事態を幕引きすることは許されない」と書き出す。

「情報隠し」「人権抑圧」「言論の封殺」は、中国・習近平政権の体質を象徴している。日本や欧米を中心とする民主主義国家は、ひとつになって中国に強く抗議すべきだ。

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読売社説もIOCの対応を批判し、「極めつきは、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が彭さんとテレビ電話で話したことだ」と書き、「北京冬季五輪への悪影響を避けたい立場で中国とIOCは一致しており、IOCが助け舟を出したのではないかとの疑念は残る」と指摘する。

「IOCは中国政府とどう事前調整したのか説明すべき」

そのうえで読売社説は「IOCは、テレビ電話がどのような経緯で行われ、中国政府とどう事前調整したのかについて明確に説明すべきだ」と主張するが、彭帥さんの安否を気遣う世界中の人々もそう感じているはずだ。

読売社説は「中国では、体制に批判的とみなされた人権派弁護士らが当局の監視下に置かれ、情報発信や外部との接触を禁じられてきた」とも指摘し、最後にこう訴える。

「国際社会は、彭さんの件も同様の事例だとみている。中国政府が宣伝工作に努めても、根深い不信は解消されそうもない」

中国・習近平政権は専制主義や覇権主義を肯定し、攻撃的な戦狼外交を貫く。ここは前述したように民主主義国家が一致団結して中国包囲網を築き上げ、習近平政権を国際的に追い込むべきである。