全身であいづちを打つ
あいづちは、言葉だけではありません。うなずきや首を傾げるといった身体のあいづちもいろいろあります。たとえば図版のような動きです。
これらの身体表現の中には、自然にやっていることもあるでしょう。たとえば驚いたときに目を見開くのは、情報をたくさん取り入れて不測の事態を切り抜けようという無意識の反応だといわれています。
話している途中に立ち上がるというのは、ちょっとした遊びです。トークショーや動画などでやってみると、みんなを楽しませることができますよ。
ちなみにラジオやポッドキャストなど、音声メディアで話すときに立ち上がると、マイクから離れて声が遠くなります。聞いている人に空間を感じてもらえる表現のひとつです。
こういった身体のあいづちは、普段から身体で表現をするダンサーや俳優さんにとってはあまり抵抗がないでしょうが、そうでない場合、大げさで恥ずかしく感じるかもしれません。でも、伝えるためには多少大げさなくらいがちょうどいいと思います。
ボディランゲージを学んだスピーチの生徒さんに自分が話す映像を見返してもらうと、ほとんどの人が「こんなに動いてないなんて……」と言われます。少しでも普段していないことをすると、大きな違和感を感じるもの。自分では少し大げさに感じるくらい、身体であいづちを表現してみましょう。
【POINT】
・身体を使って、意識的にあいづちを打つ
・あいづちは大げさなくらいがちょうどいい
【コラム1】目上の人に「なるほど」はNG!?
「なるほど」という言葉は立場に関係なく使われますが、もとは同じ立場か目下の人に使う言葉です。そのニュアンスをなんとなく感じるからでしょうか。「なるほどですね」と言いたくなることがあります。最近は気にされる方も少ないと思いますが、「ご指摘ありがとうございます」「おっしゃるとおりです」「承知いたしました」「そのとおりです」などと言いかえてもいいでしょう。
【コラム2】伝わるのは、言葉よりも身体?
俳優のことは、アクターといいますね。アクターとはアクションする人、つまり「身体を動かして表現する人」という意味です。日本を代表する映画スターのひとり、千葉真一さんは、「肉体は俳優の言葉である」が信念だったそうです。セリフ以上に身体のほうが、人間の心の機微を伝えられるのかもしれません。