世界経済の減速リスクは高まっている
次に、内需に関しても先行きの不確定要素が増えている。特に、“エネルギー危機”と言われるほどに天然ガスや石炭、原油の需給が逼迫し、世界的なインフレ懸念が高まっていることは大きい。それは、エネルギー資源や化成品などの基礎資材を輸入する韓国の内需を圧迫するだろう。
インフレ懸念を抑えるために韓国銀行は追加利上げを重視しているが、追加利上げの実施は家計の資金繰りにマイナスの影響を与え、内需を追加的に圧迫する恐れがある。感染再拡大の影響も軽視できない。足許、輸出を中心に韓国経済は相応の堅調さを維持しているが、徐々に景気は減速する可能性がある。
重要なことは、メモリー半導体やスマホなどの世界シェアが高いサムスン電子などの株価は、世界経済の今後の展開に関する主要投資家の見方を機敏に反映することだ。サムスン電子など韓国主要企業の株価の不安定感の高まりは、世界経済の減速リスクが高まっていると考える投資家の増加を示唆する。