オンライン授業向きなのは「リビングのテレビ」

コロナ禍で親がリモートワークになっている家庭も多い。そういう家庭では、親もパソコンを使うため、子供に渡せるパソコンがなく、スマホでオンライン授業を受けさせていることがある。

だが、スマホのサイズではまともに勉強はできない。私はノートパソコンでも小さいと感じている。できれば、リビングのテレビの大画面で授業を受けさせたい。画面が大きいと、先生の動きや表情がよく見えるからだ。先生が力を込めて説明しているところは、その単元のポイントになることが多い。対面なら同じ空間にいるので感じ取ることができるが、小さな画面ではそれに気づきにくい。できるだけ対面授業に近づけることをすすめる。

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コロナ禍の家庭学習は、子供に任せっぱなしの家庭と関わりすぎの家庭の二極化が見られる。親がリモートワークの場合、付きっきりで見るのは不可能だが、時折、子供の様子を見てあげてほしい。特に小学生の子供には親の目が必要だ。ちゃんと勉強をしているか監視するためというよりも、「お父さん、お母さんが私を気にかけてくれている」と安心感を与えるためだ。子供は親に見守られていると心が安定し、勉強に集中することができる。

リモートワークで「親子バトル」が激化

逆に過干渉になりすぎるとうまくいかない。共働き家庭は、日ごろ忙しくて子供の世話が十分にできないというジレンマを抱えている。ところが、コロナでリモートワークになったことで、子供と一緒に過ごす時間が持てるようになった。すると、これまでの穴埋めをするかのように、「この子の勉強は私が見なきゃ!」と張り切りだす親がいる。

だが、親子の距離が近すぎると、子供のダメなところばかりに目が行ってしまう。そして、「なんでこんな問題が解けないの?」と責めたり、「こんなんじゃ合格できないわよ!」と嫌みを言ったりしてしまう。そう言われて、「なにくそ!」と頑張る子は少なく、親子ゲンカに発展するのがオチだ。親がリモートワークになり、子供がオンライン授業になったことが引き金で、反抗期を迎える子供も多い。

せっかくそばにいられるのであれば、親は子供のやる気をそぐような言葉を投げるのではなく、やる気を起こすような言葉をかけてあげてほしい。ただでさえ子供たちは、コロナ禍で制限のある生活にストレスがたまっているのだ。そこにさらに親の小言が加わったら、たまったものじゃない。