30歳になるのは大変だけど早く30歳になりたい

高市さんは、「仕事の上ではずーっと年をとりたい、とりたいと思っていたのに」とも書いていた。現在の高市さんに共感することは少ないのだが、その文章を読み、私も早く30歳になりたいと思っていたことを思い出した。

実は私、高市さんと同じ1961年の早生まれ。今年還暦を迎えた同級生として、当時の彼女を解説させていただくなら、「仕事」というものが骨身に染みてきたのだと思う。「少年少女のノリの恋愛がもうできなくなるんじゃないかという、危機感もあった」とも書いていた。

気軽な恋愛を惜しむ気持ちの裏側に、恋愛も仕事も自分で責任を取るしかないという大変さ(と楽しさ)を実感していたのだと思う。この本を出版した翌月、高市さんは地元奈良県から参院選に無所属で立候補、落選。翌93年に無所属で衆院選(奈良全県区)に立候補、初当選している。

「私はだれ? 高市早苗って何なの?」と書きながら、もう高市さんは政治の道を見据えていた。少なくとも、どこに行けば答えがあるか、わかっていた。「私はだれ?」は30歳を前にした女性共通の思いで、実は答えが見えかけているのがその頃なのだと思う。振り返れば、私もそうだった。さて、眞子さまはどうなのだろう。

眞子さまが小室さんとの結婚を熱望する真意は

眞子さまはずっと、徹底して小室さんとの結婚を望んでいた。愛あってのことだが、同時に「皇室を出て、自由になりたい」という思いがあったと思う。それは「自由に外出したい」程度の反発心ではなく、「私はだれ?」という根源的な疑問だったのではないだろうか。

そして眞子さまは、その答えを得るには結婚するしかないと思った。皇室という枠組みにいては見つからない答え。結婚すれば、枠組みから外れられる。「皇族女子は、天皇及び皇族以外と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と皇室典範で決められているからだ。だから結婚を求める気持ちに、こだわりにこだわった。

写真=iStock.com/BrianAJackson
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眞子さまにとって結婚が、「私はだれ?」への答えを探す旅の始まりだ。旅のパートナーが見つかったのに、パートナーの母の「金銭トラブル」が公になり、足止めを食った。その期間が長くなる中、当初はさほど意識していなかった「30歳」への思いが強くなったのではないだろうか。強い心を保つためには、目標が必要だ。それが、30歳。そこまでに結婚するという思いが、眞子さまを支えてきた。そう思うと、すごく腑に落ちる。

目標達成はもう目の前。これからが眞子さまの、「私はだれ?」を見つける本当の旅が始まる。そこから先の人生は眞子さまのもので、その成り行きを他人がとやかく言う筋合いではないと思っている。だけど早く30歳になりたかった元女子として、こう思っている。眞子さまの旅が、幸多いことを。心からの願いだ。

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