政治利用され続ければスポーツの価値は暴落する
五輪への幻想が霧消したいま、スポーツそのものの価値が大暴落しているように私には思われる。本来のスポーツは愛好者の心身に健やかさをもたらし、選手に成長を促すものだ。なのにいまは競争主義の過熱や商業主義への偏りによって、特別な権利を持つ一部の人たちしか満足を得られない娯楽として消費されている。
限定的で娯楽的ないまのこのスポーツが阻害する人たちのそこはかとない気配を、元アスリートの立場からはやはり無視することができない。なんとかして価値の下落を押しとどめて再びそれを高め、スポーツに振り向いてくれる人を増やす。そのために私はうしろめたさを振り切って声を上げ続けたい。
これ以上の政治利用を、そして社会的弱者の排除を、許さない。
スポーツマンシップに則り、フェアネスを重んじるスポーツ経験者ならば、このことばを口にできるまでには成熟して欲しい。そう切に願う。