舌の位置が悪いといびきをかきやすくなる

【患者】もしかしてわたしは「低位舌」なのかも。口も乾きやすいし。

【歯科医】口を閉じているときに、舌先がどこにあるかチェックしてみてください。舌先が上または下の前歯の裏側についている場合は「低舌位」。正常な場合は、舌の先が前歯に当たらず、舌の中央が上あごにつきます。

【患者】やっぱり舌先が前歯の裏側についています。先生、舌位置って、いびきとも関係ありますか? たまに家族に「いびきがうるさい」って言われるんです。

【歯科医】舌根ぜっこん沈下ちんか(舌の根元がのどのほうに落ちてしまう状態)になると、いびきが起きやすいですね。いびきをかくときって、だいたい口が開いているでしょ? だから口内環境にもよくない。

舌の位置が整うと、睡眠時無呼吸症候群もある程度改善するケースがあることもわかっています。

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【患者】どうすれば舌の位置を整えられますか?

【歯科医】舌の動きにかかわる舌骨ぜっこつという骨があります。細い筋肉を介して、側頭骨そくとうこつという頭の骨や胸骨、肩甲骨などいろいろな骨につながっています。この舌と舌骨の動きをよくするトレーニングをすると、嚥下力や舌の動きがよくなるし、首のラインもきれいになる。胸部も広がって呼吸も楽になりますよ。

【図表1】口周りの筋肉を鍛える「waiwaiスマイル体操」(出所=『ウイルスも認知症も生きづらいのも、すべて歯のせい?

舌周りのトレーニングには若返り効果もある

【患者】口腔ケアというと、歯磨きのことばかり頭にありましたが、舌や口の周りの筋肉のケアも大事なんですね。

【歯科医】そうですね。当院でも併設のリラクゼーションサロンで、口の周りの筋肉だけでなく全身の筋肉のケアもトータルで行っています。全身の筋肉はすべてつながっていますので、口の周りの筋肉をほぐすと、口が開けやすくなるだけでなく、首や肩のコリが楽になる効果が期待できます。

【患者】へえ! そんな効果もあるんですね。

【歯科医】歯ぎしりや食いしばりのクセがある人は、顔の周りだけでなく全身の筋肉をふくめたケアがおすすめですよ。

【患者】舌や口の周りの筋肉をほぐしたり鍛えたりすると、見た目も若返りますか?

【歯科医】その効果は大いに期待できます。マッサージやトレーニングをすると、血行やリンパの流れがよくなり、むくみが取れて小顔効果が期待できますね。

【患者】わたしたち世代にはうれしいことばかりですね。

【歯科医】舌のトレーニングで心も身体も元気になる健康長寿には、老けないことも大事だし、美しいことも大事だと思います。アンチエイジングを目指した結果、呼吸や嚥下機能も向上して、総合的な健康を手に入れられたらこれほどいいことはない。

【患者】健康のためだけでなく、若返り効果もあるとなれば、トレーニングのモチベーションがあがりますね。