(3)意思決定要領について合意する
意思決定のスピードと効率を高めるために、チームは意思決定のルールをつくり、それについて合意しなければならない。たとえば次のような点は、あらかじめ明確にしておくべきだ。
・決定は単独でなされるのか
・決定は協議によってなされるのか
・決定は総意によってなされるのか
メンバーはどの意思決定方式がどの状況に適用されるのかを知っておく必要がある。さもなければ、混乱や不快な感情やごまかしが生じることになる。
意思決定のルールを決める際には、チームが下す必要のあるすべての決定をリストアップし、それらを人事、予算、販売、新製品等のカテゴリーに分類するとよい。その後で、各カテゴリーの決定を最もうまく下すにはどうすればよいかを決めるのだ。
特定の状況での決定の下し方を決めることに加えて、チームのリーダーは、誰が決定を下すのかも決める必要がある。たとえば、キネティック・コンセプツ(テキサス州)のCEOキャサリン・バージクは、以前、アプライド・バイオシステムズ(AB)(カリフォルニア州)の社長を2年間務めていたが、彼女はそこで、15人の副社長で構成されるチームのために次のような意思決定要領を定めた。
「戦略レベルの決定はすべてメンバー全員によって下され、より低いレベルの決定はサブチームに任せる」
バージクの最も効果的なサブチームのひとつが、4つのグローバル事業部門の社長で構成される評議会だった。評議会のメンバーを「結果に直接責任を負う人々」に限定したことで、現場に最も近い人々が、重要な観点を吟味したうえで決定を下す仕組みができた。