若者の主体性を何よりも大事にする

そもそも若者協議会はどのようにして結成されるのだろうか。「非公式」な若者協議会は、このように始まることが多いという。

1.SURのスタッフの若者が学校に呼ばれて、「民主主義の権利と若者ができること」について講演をする。

2.刺激を受けた若者が自分たちでできることを始めようと、一念発起して若者協議会を立ち上げる。

3.独自に活動を続けたり、SURに加盟したりする。

写真提供=Paula Aivmer
議論をする若者協議会

若者協議会を始める最初のステップが「おもしろいことをやってみたい若者や社会に何かしら変化をもたらしたいことがある若者を集めて、グループをつくる」であるが、ここに若者協議会が大切にしていることのひとつである若者自身の「主体性」が表れている。ガブリエルさんによると、スウェーデンでは1990年代に若者協議会の設置を全国の自治体に一律で義務付けるべきかどうか、という議論が沸き起こったという。そうすることでどの自治体においても持続的に、若者の声を取り入れることが可能になるという提案が挙がったからだ。しかし結局、義務化は無しになった。その理由は、若者協議会の設置が一律で義務化されると、若者が望んでいないにもかかわらず若者協議会への参画が強制されかねないからだ。この出来事は、スウェーデンの若者協議会の性格を、「若者の主体性を何よりも大事にすること」と決定付けたともいえる。

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