東京五輪日本代表の4人に1人が体重を非公表にしている

東京五輪の選手団名簿は冊子にして選手や関係者、スポンサー、メディアに配布されるほか、ホームページ上で公開されている。各メディアが作成している「選手名鑑」のデータも、JOCからの情報が基になっている。

今回の東京五輪代表名簿をチェックすると各競技団体のカラーがよく出ていて面白い。

陸上では男子43人中、身長・体重を公表しているのが26人、非公表が5人、体重のみ非公表が12人。女子は22人中、公表しているのが8人、非公表が7人、体重のみ非公表が7人だった。

陸上は選手によって公表・非公表のバラツキが大きいが、他の競技は比較的統一感がある。競泳は男女33人中32人が公表(男子1人が体重のみ非公表)。体操は男女11人全員が公表、新体操(女子)は7人全員が体重のみ非公表にしている。卓球(男女6人)とソフトボール(女子15人)は体重のみ非公表。スケートボードは男女8人全員が身長・体重ともに非公表だった。

全33競技(583人)のうち体重非公表は143人(約24.5%)

身長の高さがチーム戦略に関わってきそうな競技はどうか。

バスケットボール(男女24人)とバレーボール(男女24人)は全員が公表。他の球技もサッカー(男女36人)、7人制ラグビー(男女24人)、野球(男子24人)、水球(男女24人)、ホッケー(男女32人)は全員が公表している。チーム戦略として何か変化があることはなさそうだ。

では、階級制のある競技はどうしているのか。体重に関していうと、従来は階級に応じた数字(65kg級なら65kg)が入っていた。しかし、今回は柔道(男女14人)、レスリング(男女12人)、重量挙げ(男女7人)ともに体重のみ非公表にしている。

写真=Penta Press/時事通信フォト
柔道女子52キロ級で優勝し、金メダルを手に笑顔の阿部詩=2021年7月25日

東京五輪の日本代表は全33競技で583人。そのうち体重を非公表にしているのは143人で、全体の約24.5%だった。

ちなみに、身長・体重のデータはたいていが自己申告制だ。高校、大学、実業団で活躍したある男子長距離選手の身長はもともと169cmだったが、大学時代のプロフィールでは少しサバを読んで171cmとしていた。実業団に入ったタイミングではそれをさらに174cmへと上げている。そんな選手もいるくらいなので、プロフィールの身長・体重はいわば「公称」であり、「実際のサイズ」ではない可能性がある。