人はなぜ大切なお金を、他人の目を気にして使ってしまうのでしょうか?

それは、自分に自信がないからです。自信がないから、お金という共通のわかりやすいかたちで、自分が優れていることを証明しようとしてしまうのです。

その意味では、お金をひけらかすために使うのは、自分で自分を傷つける行為といえるかもしれません。無意識のうちに、自分に対して「自信がない」「あの人に負けている」などと感じて、自分を否定するわけですから。

お金だけで自由を得ることはできない

でも、誰もあなたと競おうなどとは思っていません。いや、それどころか、みんな自分のことで頭がいっぱいで、他人のことなんて考えていないのが実情です。

それなのに、他人の目を気にしてお金を使っていては、お金と自由を失ってしまうわけで、誰のためにもなっていないことを知ってください。

「自由」と書きましたが、この自由についても勘違いをしている人がたくさんいます。それは「お金で自由を買うことができる」という勘違いです。

本田健『お金に困らない「答え」』(プレジデント社)

確かにお金があれば好きな物やサービスを買うことができて、一時的な満足感を得ることはできます。でも、そもそもお金がないときから精神的に自由になっていない限り、お金だけで自由を得ることはできないのです。

大切なのは、お金があろうとなかろうと、「いまこの瞬間に自由を見出す」姿勢です。いまの状態で自由を見出せなければ、いくらお金が入ってきたところで、他人に対する見栄のために使ったり、お金を失ったりしてしまうでしょう。

逆にいえば、ほとんどの人は気づいていないだけで、いまの生活のなかですでに多くの自由を手にしているといえます。

「足りない」と思っていては、不自由さに目が向くばかりで、結局、自由も幸せも掴むことはできません。「すでにたくさんある」と思って生きるからこそ、いまの自分に満足し、いま手にしている自由に気づいて、それを楽しめる人間になっていけるわけです。

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