我々は光より速いものを知らないだけ

科学者が「光よりも速いものはない」と言うのは、アルベルト・アインシュタインが今から100年ほど前に「光がいちばん速い」という理論を構築した、世に名高い「相対性理論」を論拠としています。

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相対性理論はその後の量子力学などに発展して、学問的にたいへん大きな功績があったことに間違いありません(物理学的には、相対性理論と量子力学は相いれないところもある)。

しかし、アインシュタインは「光がいちばん速いのだと考えて整理をするとこの世の中をうまく整理できる」ということを言っているだけで、「光よりも速いものがない」と証明したわけではありません。

アイザック・ニュートンによる「ニュートン力学」だけでは説明しきれない不思議なことがあったので、それを整理するためには「光がいちばん速いものである」と定義して、それでいろいろなことを考えるとうまく説明ができると言っているに過ぎないのです。

もちろん、光がいちばん速いということを後押しするいろんなものがあります。有名な「E=mc2」という式がありますが、これによれば現在の核兵器なども全部説明ができて矛盾がありません。

ところが、最近では「実は、光よりも速いものがあるのではないか」との説も出てきています。

アインシュタインの時代には、「真空」は本当に何もない空間だと考えられていましたが、現在では真空にはヒッグス粒子といわれる素粒子がぎっしり詰まっているというのが正しいのだという理論も出てきました。

そのように現在でも、毎年ということはないにせよ10年に1度ぐらいは新しい現象が発見されているのです。

100年後にUFOを説明できる可能性

1000年前の紫式部は飛行機を理解できず、スマートフォンなどは明治の乃木希典大将にも理解できなかったかもしれません。「この小さいものでどこにでも電話ができるとか、汽車に自由に乗ることができるとは、いったいどういうことなのだ」と言ったに相違ありません。

そうしてみると、今から1000年後どころか100年後でも、今の知識がそのまま通じるとはとても考えられないのです。

100年後にUFOを見れば「あれはどうだ、こうだ」ときちんと説明できるかもしれませんから。

このように、私たちの頭脳が正しいとか間違っているということを判断するときに、現在の知識で説明できることは「正しい」と、知識にないものは「間違っている」と判断してしまうのです。

これも、フェイクニュースに騙されることを防ぐ一つの考え方です。