総合順位でみた日本は「アフリカや中東諸国レベル」の男女格差
世界の男女格差を測るために、このレポートでは「Gender Gap Index」(ジェンダーギャップ指数、以下GGI)で各国の男女格差を指数化して比較しています。GGIが1であれば男女格差がない完全平等を表し、0であれば完全不平等を表します。
同レポートにおける日本のGGIは0.652で、採点された153カ国中121位です。順位でみると指数の高い国からカウントして79.1%のところにいますので、残念ながらほぼ下位5分の1の集団に入ってしまっているという状況です。これだけでも「日本は随分と男女格差のある国なのだな」と感じるところかと思いますが、さらにイメージを鮮明にしてくれるのが、121位の日本とほぼ同等とみなされているランキング121位前後の諸国の情報です(図表1)。
日本の上下に僅差の指数で並ぶ諸国は中東とアフリカの国々が中心であることがわかります。つまり、世界から総合的にみた日本の男女格差は「中東、アフリカ諸国レベル」です。「順位が121位です」と言われるよりも、はるかに日本の男女格差をイメージしやすい方が多いのではないでしょうか。日本のランキングの上下にある諸国をみれば、日本の男女格差の状況が「先進国」レベルの格差状況であるとは全く言えないことがわかります。日本より下位にある国を見ていくと、あまり日本ではなじみのないアフリカと中近東諸国の国が153位まで多く名を連ねています。
先進国は上位3分の1以内にランクインしている
ちなみに多くの人に「先進国」としてなじみ深いと思われる国の順位がどのような状況となっているかをみてみると、10位ドイツ(0.787)、15位フランス(0.781)、21位イギリス(0.767)、53位アメリカ(0.724)、となっており、153カ国中上位3分の1以内にランキングされています。
また「日本よりずっと男女格差があるんじゃないの?」と日本でイメージされがちな国々についてもみてみると、81位ロシア共和国(0.706)、106位中国(0.676)、108位韓国(0.672)、112位インド(0.668)……となっており、「日本よりは男女格差がない国」という評価を受けています。
つまり、日本の男女格差は世界の下位5分の1に入る「先進国とはとても思えないレベルであり、中国やインドにも劣る状況」「中東・アフリカ諸国と同等レベル」であるとの評価をWEFから受けているのです。