「これも伝説の名車『Z1』を現代によみがえらせた『Z900RS』や、昨年発売して熱狂的に迎えられた久々の250cc4気筒エンジン搭載スーパースポーツ『ZX-25R』など、いい意味で“カマしてくる”のがこのところのカワサキなんです」(松田氏)
だとすれば由緒ある名をリバイバルさせたのを機に、カワサキ車とは異なる個性を持ったサブブランド『メグロ』として一本立ちさせ、メグロ名義の新開発モデルを投入してくる可能性もあるのではないか。
「カワサキ自身は『投入予定はない』と言っていますが、そんなわけがない(笑)。メグロブランドを使った様々な仕掛けを考えているはずです。でないと、復活させた意味がありませんからね。ブランドの路線は、“プレミアムなクラシック”という方向性だと思います。個人的には、スピードは出なくていいので、乗って楽しく、仕上げやスタイルが上質で、眺めているだけでうれしくなるような小排気量の高級車を出してほしいですね。実際、かつてカワサキのラインナップにあったレトロな250cc車『エストレヤ』のあたりの排気量帯は、有力候補ではないでしょうか」(松田氏)
『メグロ』ブランドの“続編”に高まる期待
『エストレヤ』は1992年から2017年まで販売されたモデルで、1950年発売のメグロ初となる250cc車『ジュニアS1』や、吸収合併後の1965年に発表された『カワサキ250 メグロSG』のデザインを受け継いでいた。そのエストレヤの後継モデルが『メグロ』ブランドの第2弾として登場するのは、歴史的背景を考えても合理性、必然性がある。
「あるいはプレミアムブランドという位置づけなので、500cc前後とかもう少し排気量が大きい方が、値段との釣り合いが取れるかもしれませんが。いずれにせよ、旧車好きな口うるさいオジサンも唸るようなヤツを期待してます」(松田氏)
今後カワサキは自社の貴重な財産である『メグロ』の名を活用し、どんなことを“カマして”くるのか。バイクファンならずとも、ビジネス上のブランド戦略として、その動向から目が離せない。