仮屋医師によると「飲んだ日の睡眠も二日酔いに影響する」という。
「肝臓の働きを高めるためには、体を休めることが一番。体が動いていると、脳などのほかの部分に血液が回ってしまいますが、睡眠をとると肝臓に血液が行き届き、アルコールの分解も進みます。最低でも6時間は寝ましょう」
仮屋医師への話をもとに、二日酔いにならない方法を3カ条にした。これらを守ることにより、かなり軽減できるはず。また、酒に含まれる不純物や添加物も、二日酔いに影響する。メタノールなどの不純物が含まれるほど分解に時間がかかり、だるさが残りやすく、添加物が体の不調を招くこともある。「自分がどの種類の酒をどれくらい飲むと、翌日に不調を招くか知ることが大切」(同)という。自宅で1人で飲む場合は、あらかじめ「量と時間」を決めておきたい。
要チェック! 酒にのまれる人の特徴
ところで、酒を飲み続けると怒ったり泣いたり、説教を始めるなど「性格の変化」を見せる人がいる。
心療内科医で日本医科大学特任教授の海原純子氏は「酔ったときの性格が本性」と指摘する。
「抑圧している“もう1人の自分”ということです。飲酒して人が変わるのは、飲んで発散しなければならないほど、今の生活に問題があることの裏返しでもありますね」
怒りや悲しみを我慢して表に出さないようにしていると、飲酒により理性をつかさどる前頭葉が緩んだ途端、それが爆発する。
「普段、抑圧したものが多いと、突然うつ状態になる可能性もあるし、アルコールやギャンブルに依存することになるかもしれません。『あなたは飲むと、人が変わるのね』などと誰かから言われたら、心への警告と受け止めて生活を見直してほしい」(海原氏)
自分で酒の量をコントロールできず、ダラダラ飲んで二日酔いになってしまったり、飲酒して人とトラブルを起こすような問題が出てきたら、アルコール依存症の一歩手前といえる。楽しく酒が飲めているかどうか、表でチェックしてほしい。
2020年はコロナ禍によって大変な一年であったが、年末は仲間や家族と「お疲れさま!」という気持ちで乾杯するのもいい。自分にとっての適量で飲酒を楽しめたら、ハッピーに一年を締めくくれるだろう。