保険だけが「老後の不安」を解消してくれるわけではない

このように、保険の本質ということを考えてみると、入るべき保険と入る必要の無い保険というのは自ずと区別が付くと思います。

大江英樹『定年前、しなくていい5つのこと 「定年の常識」にダマされるな!』(光文社新書)

もちろん職業や家族構成、遺伝的な体質等々、人によってさまざまなファクターがありますから、全ての人に当てはまるルールというのはありません。私にとっては不要でも、ある人にとっては必要な保険はあるでしょう。

大事なことは、自分にとって必要かどうかを論理的に考えることです。前述したように、保険は将来の不幸や不安に備えるものです。

人間の感情として、健康に対する不安や事故に遭うという不幸は過大に評価しがちですから、論理的に考えろと言ってもなかなか簡単にはいかないと思いますが、不要な保険に入って無駄な保険料を負担するのはやはり避けるべきです。

また、誰もが「老後の不安」を持っています。特に高齢期になってからの医療・介護に関する費用については、どうなるかわからないが故に不安感は大きいだろうと思います。しかしながらこれも必ずしも保険が最も有効な解決策ではありません。

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