年齢についても、感染した場合の入院基準となっている65歳以上では約3倍重症化リスクが上がりますが、実は40代以上でリスクが上がり始め、55歳以上でも約2倍リスクが高くなっています。

基礎疾患についても、どの病気でも同じようにリスクが高くなるわけではありません。糖尿病では2倍以上、高血圧で3倍近く、冠動脈性心疾患や慢性腎疾患では5倍前後、COPD(慢性閉塞性肺疾患)では6倍以上リスクが上がります。

このように、肥満度や基礎疾患、喫煙など統計的データがあるものだけで計算しても、20代の基礎疾患のない標準体重でタバコを吸わない女性に比べて、働き盛りの40代後半の男性の6人に1人、50代後半の男性の2人に1人で10倍以上の重症化リスクがあるということがわかっています。

生まれながらにリスクが高い人もいる

小林弘幸著、玉谷卓也監修『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』(プレジデント社)

なんと、生まれつき重症化リスクが高い人がいることもわかっています。血液型に関連した遺伝子やネアンデルタール人から引き継いだ遺伝子が、重症化に関わっていることが報告されているのです。どちらの遺伝子も免疫の機能に関連していると考えられています。このような遺伝要因のリスクは、DNAを調べることによってわかります。

ここまでにお伝えした環境要因や遺伝要因によって自分がどれだけの重症化リスクを抱えているかを、科学的なエビデンスにもとづいて判定する検査も受けられるようになってきています(筆者プロフィールにリンクあり)。

検査によって自分の重症化リスクを知り、リスクの高い人は特に感染予防を心がけ、感染してしまった場合はすぐに治療を開始するようにすることで、新型コロナウイルスへの適切な対応ができるようになることが期待されます。

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