地価の2つの落とし穴

住宅地価の需給バランスは出生と死亡人口で端的に説明することができる。死亡によって相続等の発生で土地が放出されることが多くなる。土地を購入する人は、ファミリー世帯が主であり、出生数が需要を生み出す。

日本の人口が減り始めるとこの需給バランスが逆転する。日本の人口は2008年には明らかにマイナスに転じており、当面その差は拡大が続くことが人口構成から決まっている。だからこそ、地方や郊外は地価が安くなるわけだ。

戸建を買う前にチェックすべきことは2つある。1つは地価の高値づかみをしていないかと、もう1つは地価の下落スピードが速くないかの2つだ。

前者の実勢地価は不動産屋に聞かなくても自分で分かる仕組みができている。それは、国土交通省が取引された人にアンケートを取り、取引価格を教えてもらった結果を公開している。

対象のエリアで検索し、データをダウンロードした上で、同様の容積率・建蔽率のサンプルを平均してみよう。それが土地単体の価格になる。これよりも高い土地価格で買おうものなら値下がりリスクがあると考えた方がいい。

次に、後者の地価の動きは立地によって違うので、確認するには地価公示・地価調査というデータを調べる。これで定点観測している立地の毎年の価格推移が分かる。これが上がっているところと下がっているところで将来価格も大きく違ってくる。

アベノミクス以降の最近7年は相対的に価格水準が高い。この間でも下落していたり、上昇幅が小さいなら、将来の土地価格は下がることを想定しておいた方がいいだろう。

上記2つの地価の調査は国土交通省の土地総合システムというホームページで事が足りる。前者はその中の「不動産取引価格検索」であり、後者は「地価公示・都道府県地価調査」になる。これらを調べれば、戸建での損得リスクが誰でも分かる。便利な時代になったものだ。

首都圏・近畿圏の有望エリアはここだ

地価の安定しているエリアはそんなに広域ではない。東京23区は外周部を含めて安定しているが、都下では武蔵野市や三鷹市などの隣接した人気エリアなどに限られてくる。埼玉県では浦和などの一部の地域、千葉県では浦安などに限られる。神奈川県は横浜駅周辺と港北ニュータウンと川崎市の一部だけとなる。

近畿圏ではもっとエリアは絞られる。大阪市・京都市の中心部、兵庫県では神戸市の一部と芦屋市・西宮市といったところだ。滋賀県・奈良県・和歌山県では価格が下落することを見込むしかない。

自宅は1世帯で1つしか購入できない。また、1つだけに失敗もできない。大きな買い物だけに調査はきちんと行って、マイホームで人生を謳歌してもらいたいものだ。

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