「まだプロにいるの?」「来季契約更改したら戦力外の選手が怒る」

正直に言えば、2軍選手でパっとしない投手の散々な内容の投球を記事にする価値があるとは思えない。だが、配信されたこの記事に対するコメントはたちまち6000件を超えた。バズっていると言っていいだろう。これまでも「斎藤ネタ」はその投球結果がよくも悪くも、多くの読者に読まれてきた。それだけで斎藤が今も多くの野球ファンから熱視線が注がれている存在であることがわかる。ただし、今回は応援するコメントは見当たらず、ほとんどすべてが突き放した内容のものだった。

ロッテ-日本ハム。4回、登板した日本ハムの斎藤佑樹投手=2020年6月4日、千葉・ZOZOマリンスタジアム(写真=時事通信フォト)

辛辣なものには

「なぜ、まだプロにいるの?」
「これで来季も契約更改したら、戦力外通告された選手が怒るだろ」

などがあった。

「日本ハムには名前で客が呼べるこれといったスターがいないからな。結局、斎藤と清宮に頼るしかないのか」といった皮肉交じりのものもある。

また、最近の斎藤の投球を見たファンなのだろう。

「ストレートが最速で135キロ、変化球が110キロ。これじゃ打たれるよ」
「球遅い、変化球にキレない、制球力もない」
「ボールが先行して、ストライクを取りにいく球が打ち頃の棒球。相手の2軍選手に自信をつけさせるために出てきてるみたいだ」と現状の体たらくを指摘する声もある。

「体たらくなのに推定年俸1600万円」に嫉妬心を募らせる読者

こうしたコメントが次々と投稿されるのは、なぜか。

多くの読者は、斎藤の高校、大学時代のキラキラ輝いていたマウンド上での勇姿を知っており、その頃との落差の大きさ、期待を裏切られた失望感のようなものがあるのだろう。不調の中でもしばらくは復活する姿を期待して見守ってきたが、その気配が感じられない。そのイライラから、プロは過去の栄光ではなく、現在の結果で判断されるべきという思いに転じたのではないだろうか。

コロナ禍で給与が下降し、生活がますます苦しくなっている読者もいる中、成績がまったくふるわないにもかかわらず一般サラリーマンより高給(2020年の推定年俸は1600万円)を得るなど待遇のよい斎藤に対する嫉妬心のようものもあるのかもしれない。