国の「持続化給付金」もセットでもらう
東京都が「感染拡大防止協力金」の支給を決めたのに対し、国は「持続化給付金」の支給を検討している。新型コロナウイルスの感染拡大により大きな影響を受けた事業者、具体的には売り上げが前年同月比で50%以上減少している事業者に対し、給付金を支給するというものだ。
資本金10億円以上の大企業を除けば、中小企業や小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者、また医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など対象は幅広い。
給付額は法人で200万円、個人事業者で100万円。ただし、昨年1年間の売り上げからの減少分が上限となる。東京都の協力金のように一律ではなく、マイナス分だけ補填される仕組みだ。計算式は以下。
2020年1月から同12月のうち、前年同月比で売り上げが50%以上減少した月を事業者側で選んで申請できる。昨年創業したばかりの事業者への対応も検討中だ。
申請方法や要項については国会の補正予算成立と同日に公表される予定。国会の審議日程にも左右されるが、いまのところは4月24日が有力だ。申請方法は東京都の協力金と同じくオンライン申請が基本。対応窓口も順次設置されるとのこと。
申請に必要な書類は以下。
①法人番号
②2019年の確定申告書類の控え
③減収月の事業収入額を示した帳簿等
個人事業主の場合
①本人確認書類
②2019年の確定申告書類の控え
③減収月の事業収入額を示した帳簿等
補正予算が成立してから1週間程度で申請受付が開始されるということなので、いまのところ4月末には専用のホームページが立ち上がるものと思われる。オンライン申請の場合、申請してから2週間程度で口座に振り込まれる。
東京都の「感染拡大防止協力金」も、国の「持続化給付金」も、簡素な手続きで申し込め、スピーディに現金が手に入ることが特徴だ。感染拡大の煽りを受けダメージを負った都内の中小事業者、個人事業主の皆様には少しでも早く元気になっていただきたく、ぜひセットで使ってもらいたい。
大事なのは手元の現金とスピード感
新型コロナウイルスの感染拡大とともに経済へのダメージは大きくなり続ける一方で、いまだに国では制度設計や線引きの議論に延々と時間を消費している。政治がまず手を差し伸べなければならないのは明日、明後日の生活に困っている人たちであり、そのために必要なのは手元のキャッシュ(現金)だ。
当面は命を助けるための感染防止対策と経済対策を最優先し、その他は後回しでもよい。死んでから助けられても遅いのだ。日々目まぐるしく状況が変わるなかでも、とにかくスピード感を意識しながら、都民の命とお財布の両方を守っていきたい。