不動産コストの高い都市部ではなく地方に大きな倉庫を

すでに地方の企業や店の中には、前売り券などの販売をクラウドファンディングを活用して開始したり、オンラインショッピングで商品販売をしたりと、都市部に住む人々に向けて営業を行うところも現れています。当然、EC市場は年々急速に拡大していたので、私が関わるような地域商店街の店でも、地方で成長する店の多くは、都市部の人々に向けてネット販売をしているところばかりでした。

たとえばセレクト家具の販売を行う企業などは、不動産コストの高い都市部ではなく地方に大きな倉庫を借りて、ネット受注によって業績をあげていました。また、ある地方の魚屋は、シズル感たっぷりの写真を使ったサイトを作り、ネット販売に早くから注力し成長していました。このような事業主にとっては、今回のような勤労、消費に関する「オンライン化」の拡大は大きな追い風となっています。

ご存じのように日本はいまだに世界第3位の経済大国であり、そのうち約6割が国内消費によって構成されています。家計消費の変化は非常に大きなインパクトを生むのです。その家計消費の多くが集積する都市部の働き方、消費行動が変わるというのは、地方にとっては従来の制約条件が解除され、新たなチャンスとなっていきます。

今を乗り切り、その先にあるチャンスにかけるしかない

本稿で述べてきたように、コロナショックの後には、地方にとって新たな可能性が多数出てきます。だからこそ、どうにか今を乗り切り、その先にあるチャンスをものにしよう。そう仲間と話しています。

『地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』(ダイヤモンド社)

今更、政府の対応をウダウダ言っても仕方ありません。われわれのこれまでの選挙行動の結果が今です。となれば、自分たちのお客さまや仲間を巻き込みながら、どうにか生き残り策を作り出すしかないのです。飲食店でも、店舗で仕入れていた酒の小売販売について期限付きで認められるなど、これまで禁止されていたことが解禁される動きも出てきました。それらをリアルタイムで、ビジネスチャンスにするしかありません。

これから地方は次なる段階に入ると考えるからこそ、私自身、今年の地方でのプロジェクト投資、会社設立は昨年からの予定通り、一切止めずに進めることを決めています。最後に頼りになるのは政府でも何者でもなく、お客さまであり、仲間であると改めて気付かされています。どうにか頑張りましょう!

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