さらに余裕があれば、次の2つのポイントも考えてみてください。

トイレには「小さな応接間としての役割」があります。夫婦とも自宅で過ごすことが増えれば、お客様を家に招くことも増えるのではないでしょうか。トイレが来客に与える印象は、とても強いものがあります。たとえばトイレ内に小型の手洗いや鏡をつけて化粧スペースをつくっておくと、お客様が手を洗いたいというとき、生活感あふれる洗面所に案内せずに済みます。

もう一つは、「メンテナンスのしやすさ」です。トイレは、アンモニアと薬品が飛び散る場所でもあります。とくにアンモニアは、想像を絶するほど広範囲に飛び散ります。最近は汚れ防止のため男性でも座って小用を足す方が増えましたが、お客様にまで強要はできません。またトイレ掃除の薬品に含まれる成分は非常に強いので、床材は必ず耐アンモニア、耐薬品性のある材料を選んでください。

いま、各メーカーはこぞって全自動での掃除機能がついたものなど、手入れのしやすい便器を次々と出しています。その中から自分に合ったものを選ぶといいでしょう。値段もピンキリで、高いものは50万円ぐらい、安いものは5万円ぐらいからあります。

ちなみにトイレの失敗例で多いのが、紙巻き器とタオル掛けの取り付け位置を間違えることです。ちょっと腰を浮かせないと紙巻き器に手が届かない、手洗い位置とタオルが遠いというトイレをよく見かけます。

欲をいえば、スペアのトイレットペーパーの収納場所も頭の上の吊り戸棚ではなく、座ったまま手の届く範囲にするといい。するとそれまでトイレットペーパーが切れても放置していたご主人も、次の人のために出しておいてくれるようになったりします。それだけで奥様はすごく嬉しいわけです。夫婦2人が仲良く過ごすためには、こんな些細なことも大事です。

次に洗面所です。洗面所は実は暮らしの中でとても重要な役割を持ったスペースです。洗面所というのは家族全員が毎日必ず使う場所であり、同時に大きく3つの機能を備えています。第一に洗面、お化粧、髭剃りなどを行うパウダールームとしての機能。第二にお風呂に入るときの脱衣室としての機能。第三に家事室としての機能です。

パウダールームとしては、収納を充実させることです。とにかく洗面所には、小さなものがたくさん置いてあります。化粧品やコンタクトケース、歯ブラシ、歯磨き用品、ヘアスプレーなど細々したものを収納するスペースを確保すること。そしてコンセント口をたくさんつけておきましょう。いまはドライヤーをはじめ、電気髭剃り、電動歯ブラシなどコンセントを使うものが非常に多いからです。