お金の使い方と人生の戦略は同じ

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日本人の幸福度は高齢になっても上昇しない/日本においては経済的豊かさと生活満足度は比例しない

それでは、こうした不幸スパイラルから抜け出すにはどうすればいいのか。まずは「人生の棚卸し」と「人生設計」から始めるといいでしょう。そのためには、「35歳くらいで郊外に一戸建てを買う」とか、「老後は田舎に引っ越して蕎麦を打つ」といったマスコミによってつくられたステレオタイプな考え方から脱却しなければいけません。横並びの思考停止状態では不幸になるばかりです。そもそもバブル世代の人たちは、人生設計をしたことのない人がほとんどでしょう。将来に対する不安を感じているなら、何が問題なのかを明らかにすることで、どうすれば幸せになれるのかという目標設定ができるはずです。

これはお金の使い方についても同じです。円の定期預金が一番安全だと思い込んでいる人は多いようですが、定期預金にして、生命保険に入って、年金もちゃんと支払っていれば将来は万全なのでしょうか。それは大いに疑問です。預金や保険、年金として預けられたお金は、多かれ少なかれ国債で運用されていることを考えると、結果的に国債に投資しているのと同じです。日本の財政赤字が世界的な問題になっており、国債の格付けも引き下げられました。何も考えずにお金を一カ所に集中させるのは危険です。急に何が起こるかわからない世の中だからこそ、分散投資するなどの戦略をもってお金を運用していく必要があるのではないでしょうか。

幸福とは、どのような状態のときに感じるものなのでしょうか。私は「自分が好きなことができる選択肢があること」だと思っています。

先日、友人と飲んでいて、一度も転職せずに安泰な会社勤めをしてきた人と、転職した人とではどちらが幸せだろうという話になりました。転職組には波瀾万丈な人生を生きている人もいますが、自分で行動を起こして挑戦したという点においては、何となく同じ会社で20年を過ごして現在に至った人よりも幸せな人が多いのではないか、という結論に達しました。

これからは一人ひとりが自分の人生戦略を持つべきです。46歳といっても、まだ先は長い。これから30年、40年という時間が残っています。誰のものでもない自分の人生。年を重ねるごとに自分流の幸せを実現したいものです。

(構成=前田はるみ)