「大西洋をヨットで横断」の資金はどこから出たのか

報道によると、グレタさんはスウェーデンの首都ストックホルムの出身。昨年9月のスウェーデンの総選挙で議会前に1人で座り込みに入り、地球温暖化を防ぐ対策を求める活動を始めた。選挙後も毎週金曜日に学校を休んで座り込みなどの活動を続けている。

こうした彼女の活動が注目を集め、昨年12月にはポーランドで開かれた国連の気候変動枠組み条約会議(COP24)などに招かれ、演説を行った。

今年9月にはノーベル平和賞に準じる「ライト・ライブリフッド賞」を受賞した。同賞は環境や人権問題に尽くした人にスウェーデンの財団から毎年贈られる賞だ。もちろん今年のノーベル平和賞も期待されている。

ところでニューヨークの国連本部で開かれた気候行動サミットにグレタさんは、「温室効果ガスを大量に排出するから」と航空機の利用を中止。2週間かけてイギリスから大西洋をヨットで横断してニューヨークに到着した。

ヨットの運航費や人件費などかなりの額に上るはずだ。これまでのグレタさんの活動費も含めて考えると、一体どこからそうした多額の資金が出ているのだろうか。彼女の両親は俳優だという。俳優にそれだけの資金が出せるのか。背後にそれなりの団体が付いているのかもしれない。

“グレタスタンス”の訴えから離れない毎日新聞

冒頭で沙鴎一歩は「思わず涙が込み上げてきた」と単純に褒めたたえてしまったが、彼女の背後関係もおさえる「複眼」を持つことが必要だ。

新聞各紙も気候行動サミットを取り上げた。9月25日付の毎日新聞の社説はこう指摘する。

「今回のサミットでグレタさんは、各国首脳が関心を寄せるのは『お金や永続的な経済成長というおとぎ話』と断じた。『(対策に失敗すれば)その結果と生きていかなくてはならないのは私たちです』とも述べた。破局を見ずに済む大人世代とは比べものにならないほどの危機感が、今の若者たちにはある」

見出しも「若者の危機感に応える時」である。

グレタさんの活動の重要性は分かる。だがしかし、毎日社説はグレタさんに入れ込み過ぎではないか。公器である以上、もう少し冷静になってほしいと思う。

残念だが、最後も「大人には、若者の申し立てに応える責任がある」と“グレタスタンス”の訴えから離れない。