「きれいな空気や水を求めている」ととぼけたトランプ氏
気候行動サミットでは、国連のグテレス事務総長が「77カ国が2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロとする目標を公表した」と明らかにした。
しかし、各国の姿勢には依然、大きな温度差があり、世界全体の排出増は止まらない。主要排出国の動きは鈍く、世界2位のアメリカと5位の日本は気候行動サミット上の問題から発言する機会さえ与えられなかった。
トランプ氏は当初、不参加の予定だった。しかし突然会場に現れ、記者団に「私はきれいな空気や水を求めている」ととぼけていた。会場に用意された席に10分ほど座った後、姿を消した。
来年から本格的に運用が始まる気候変動抑制を目指すパリ協定からアメリカは脱退する。トランプ氏は地球温暖化の問題など、本気で考えていない。トランプ氏の頭の中には、来年11月の大統領選しかないのだろう。
トランプ氏の皮肉に、さらなる皮肉で応戦する度胸
興味深いのが、ロイター通信が配信した写真である。記者団から質問を受けているトランプ氏に対し、背後からグレタさんがにらむような視線を送っている。
グレタさんと地球温暖化対策に消極的なトランプ氏との“戦い”をみごとに象徴しており、この写真が話題になるのはよくわかる。
2人の“戦い”は今後も激化するだろう。トランプ氏は、グレタさんについて「明るく、すばらしい未来を楽しみにしているとても幸せな少女のようだ」とツイッターに書き込んだ。
これを見たグレタさんはツイッターのプロフィールに「明るく、すばらしい未来を楽しみにしているとても幸せな少女」と書き込んだ。トランプ氏が投稿した皮肉交じりのツイートに対して、皮肉で応戦したのだ。16歳の少女にしては出来過ぎだとも思うが、彼女は本物なのかもしれない。