トランプ応援団のFOXテレビもグレタさんに謝罪

アメリカではFOXニュースが23日に放送したテレビ番組で、出演者の男性評論家が「彼女は精神的に病んでいる。両親や左翼に利用されている」と発言し、問題となった。この問題ではFOX側が早々に謝罪している。FOXはトランプ氏に好意的なテレビ局だ。そのFOXが謝罪するということは、“グレタ対トランプの戦い”は、いまのところグレタさんが優勢のようだ。

ちなみにグレタさんは「自分はアスペルガー症候群」と公表し、「アスペルガー症候群は才能であって決して障害や病気などではない」という問題提起も行っている。

アスペルガー症候群とは広い意味での「自閉症」のひとつのタイプで、幼児期に言語発達の遅れがなく比較的わかりにくいが、成長とともに対人関係の不器用さがはっきりすることが特徴だ。あの演説から判断する限り、たしかにアスペルガー症候群が病気だとは思えない。

ジャンヌ・ダルクを連想させる女性たちの活躍

演説でのグレタさんの迫力を見て15世紀のフランスの国民的英雄とされる少女、ジャンヌ・ダルクを連想した。

同時に民主主義と自由を求め、中国の習近平(シー・チンピン)政権と戦う香港の22歳の活動家、周庭(英名・アグネス・チョウ)さんや、頭部に銃弾を受けても負けずに女性への教育を求め続け、2014年に17歳でノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身の人権運動家、マララ・ユスザイさんを思い出した。

世界中にポピュリズム(大衆迎合主義)がはびこり、トランプ氏のような自国第一主義を唱える政治家に人気が集まる一方、周さんやマララさん、そしてグレタさんのような、いわゆる草の根の若い女性たちが自由を求めて活躍している。

ポピュリズムと民主主義、自国第一主義と博愛主義。いまや時代はカオスの嵐の中に突き進もうとしている。