これはA社がバミューダ法人(EU域外法人)なので、B社がA社に支払う使用料には、アイルランドの源泉税がかかるのですが、C社を介在させることにより、オランダの租税条約を活用することができるので、源泉税を回避することが可能になります。これは有利な課税条約を次々と活用していく「条約漁り」と呼ばれる行為です。

森信 茂樹『デジタル経済と税』(日本経済新聞出版社)

この結果、米国市場において自ら開発した知的財産(無形資産)に基づき、コンテンツの製造や販売を行ってあげる収益は、B社からオランダ法人C社を経由してA社にロイヤルティーの支払いとして入金されます。つまり米国外から上がる収益(法人利益)の大部分は、バミューダ法人のA社に留保され、そこはタックスヘイブンなので税金はかからず、グーグル社の税負担はほぼゼロになります。

A社はほとんど実体がない事業体で、米国からもアイルランドからも課税されない「真空地帯」で利益をプールするだけの会社なので、「キャッシュボックス」とも呼ばれています。これが「二重非課税」として問題とされているのです。

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