名刺の写真を保存すればアドレス帳になる
いったんこのシステムを確立したら、つぎのように運用します。
写真を撮った後で、それを参照する可能性が高いと思えば、その都度、あるいは一定期間でまとめて、前記のリストに追加します。
会った人で、後で連絡するようになると思う人は、名前(できれば会社名も)を、「超」メモ帳に残しておきます。そして、名刺の写真を撮っておきます。
連絡の必要が生じたときには、名前を覚えていれば名前、忘れてしまった場合には、およその日付や会社名をキーワードにして、「超」メモ帳のファイルを検索します。すると、目的の名刺の写真を容易に見いだせます。
写真の容易な検索がビジネスを変える
誰かと対談しているときに、あるいは会議中に、何かを思いつくことがあります。これは、紙にメモするしかないでしょう。こうした状況で音声入力をするのは、いかにも礼儀に反するからです。
このメモは、ただちに写真に撮って残しておくことにします。内容が重要であれば、キーワードを音声入力で「超」メモ帳に残しておくことにします。どのようなテーマについてのメモかという記録が残っていれば、後になってから、検索で引き出せるでしょう。「超」メモ帳の記録で正確な日付が分かれば、グーグルフォトから目的のメモの写真を見いだせます。
音声入力機能と画像認識機能は、現時点で個人が利用できるAIの代表格です。その2つを組み合わせた写真データシステムは、AI時代の画期的かつ身近なイノベーションと言えるでしょう。ビジネスにおいても、きわめて役に立つはずです。
一橋大学名誉教授
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2017年9月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問。一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。近著に『入門 AIと金融の未来』『入門 ビットコインとブロックチェーン』(PHPビジネス新書)など。
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