先ほどと同様に、まず「全体の仕事量を160(32と20の最小公倍数)とおく」。すると、Aさんの1日の仕事量は「160÷32=5」、Bさんの1日の仕事量は「160÷20=8」となる。Bさんは15日間ずっと働いたので、Bさんのすべての仕事量は「8×15=120」だ。

一方、Aさんが働いたすべての仕事量は、全体の仕事量が160なので、「160-120=40」となる。つまり、Aさんは「40÷5=8日」働いた計算だ。したがって、Aさんが休んだ日数は、「15-8=7日」と求められる。

仕事算はビジネスでも有用

この仕事算はビジネスシーンでも有用かもしれない。たとえば、部下に仕事を任せる際に、各人の能力を把握したうえで適切に割り振ることで仕事の効率がアップするだろう。実際は部下どうしの相性の問題などがあり単純ではないが、仕事算のような考え方があることを知っていて損はない。

仕事算は、機械を使う作業により適している。人間と違って、機械は基本的に休むことがなく、一定のスピードで動き続けるからだ。複数の機器をうまく組み合わせることで作業効率が高まるだろう。

小杉拓也
志進ゼミナール 塾長
東京大学経済学部卒業後、IT関連会社を経て、個別指導塾の講師へ。その後、埼玉県に学習塾を開業。著書に『中学校3年分の数学が教えられるほどよくわかる』など。
(構成=田之上 信)
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