ネタとして面白ければそれでいい
「NOBU トーキョー」の一番奥の席にはあのマドンナがいました。私はマドンナが食事を終えるのをカウンターでじっと待ちます。
彼女が食事を終えたところでNOBUさんの長女・純子さんが私をマドンナに紹介してくれたのですが、緊張のあまり何も言葉が出てきません。
純子さんがアンダーウェアがどうのと英語で説明してくれて、マドンナが「ワオ、リアリー?」。私は「オッケー、サンキューベリマッチ」。それが精一杯でした……。
情けない。ほんと、情けない。
甲冑パンツがマドンナのワールドツアーで使われたことは、写真とともに宣伝に使いましたが、実はまったく効果がありませんでした(なんでやねん!)。
ただ、そんなこと以上に甲冑パンツが私に運んできたものは大きかったと思います。
世界的アーティストのワールドツアーの舞台裏をのぞかせてもらい、マドンナ本人からも「ワオ」と言われた奴なんて、まぁ、なかなかおらへんでしょ?
何より、ネタとして面白いですよね。
たとえ100回負けても、2、3回勝てばいい
私は「名刺を持つよりネタを持て」と常々言っています。ネタとは、それ自体が独り歩きするような実績やエピソードのこと。ネタの多くは失敗から生まれます。「失敗がネタになる」、そう思っていれば、コトの大小問わず、いつでもチャレンジのための一歩が踏み出せるようになります。
ネタさえあれば、多くの人が、あなたのことを忘れず、人に紹介してくれるようになり、ビジネスをひろげてくれます。
失敗の多くがネタになるならば、「たとえ100回負けても、2、3回勝てばいい」、そう思えてくるようにもなります。
みなさん、決してチャレンジをあきらめないでください。ちょっとでも「心が動く」、「心が震える」のであれば、やる価値はある。私はそう思い、いつも一歩を踏み出しています。
ログイン 代表取締役社長
1960年、大阪府高槻市生まれ。立命館大学法学部法学科卒業。87年株式会社千趣会入社。新商品、新規事業を中心に担当する。2002年に父親の会社「ユニオン野木」へ。その後「包帯パンツ」を開発し、06年にログイン株式会社を設立して独立する。包帯パンツは19年1月現在、世界で130万枚を売上げ、世界的なシェフ・松久信幸(NOBU)氏やロバート・デ・ニーロ氏など、国内外の著名人にも多くのファンを持つ。