SNSの“遊び”からパスワードがバレることも

この前年には、長崎県の男が長澤まさみさんや武井咲さんのiCloudやFacebookに不正ログインし、プライベート写真などをのぞき見て逮捕される事件が起きている。このケースでもパスワードを誕生日などから類推していたという。IDやパスワード、秘密の質問などが単純なわかりやすいものの場合、このように容易に突破されてしまうことがあるのだ。

若者たちの間では、「バトン」や「Peing(質問箱)」など、相手から出されたさまざまな質問に答える遊びやサービスがはやっているが、そうしたサービスを利用していると、パスワードを類推するヒントを与えることになる。利用には注意が必要だ。

そして、パスワードをオリジナルで複雑なものにし、セキュリティのための質問を類推しづらいものにしておく。そのうえで、「2段階認証」を活用するといい。

2段階認証とは、認証を二重にすることでセキュリティを強化し、万が一、パスワードが漏れたとしても、本人以外はアクセスできないようにする認証方法だ。

メールアドレス変更でデータにアクセスできず

クラウドサービスでデータにアクセスできなくなる理由で多いのは、パスワード失念だ。パスワードを忘れただけなら問い合わせればわかるので問題ないのだが、ある知人は「メールアドレスを変更した状態でIDとパスワードを忘れてしまった」という。機種変更を機にメールアドレスを変更しており、以前のものは使えなくなっていたのだ。その結果、データに完全にアクセスできなくなり、運営会社に問い合わせてもどうにもできなかったそうだ。

またある人は、もう使わないと思いGoogleアカウントを削除してしまった。ところが削除してしばらく経って、Googleドライブに写真を残していたことに気づき、青くなったという。

Googleアカウントの救済策

実は、Googleアカウントには救済策が用意されている。削除してから一定期間内であれば、アカウントが本人のものであると確認するためのさまざまな質問に答えられれば復元できることがあるのだ。

このときは幸い、削除してからまだそれほど時間が経っていなかったので、復元して写真データも取り戻すことができた。しかし「回答を間違えた質問もあり、復元できないのではないかと焦った」という。Googleアカウントはさまざまなデータと紐付いているので、容易に消さない方がよさそうだ。

また、使っているクラウドサービスが終了することもある。実はクラウドサービスは次々と出ては消えている。これまでに、LINEの「Nドライブ」、キングソフトの「KDrive」、リコーの「Keenai」など、多くのサービスが終了している。クラウドサービスに大切なデータを多数預けている場合、データをほかのサービスに移す際に苦労する。移行の作業をさぼれば、すべてのデータは消えてしまう。

終了が怖い人は、Googleドライブ、Microsoft OneDriveなどの、簡単には終了しそうにない大手クラウドサービスを利用しておく方が無難かもしれない。