コロナ禍で、オンラインサービスの利用が増加しています。在宅勤務で、自宅パソコンから仕事関係の大切な情報にアクセスすることも増えているでしょう。そんな時に欠かせないIDとパスワードですが、不正アクセス事件が発覚するたびに、「同じパスワードを複数サイトで使いまわすのは危険」と注意喚起がされます。なぜ使いまわしは危険なのか、パスワードはどう管理すればいいのか、セキュリティの専門家、辻伸弘さんに聞きました。
パスワードのメモをパソコン画面上に貼り付け
写真=iStock.com/designer491
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漏れていること前提で考えるべし

あなたのIDとパスワードは、おそらく漏れています。個人で、自分のIDとパスワードの漏洩を防ぐことは無理なんです。既に漏洩していることを前提に対策をした方がいいでしょう。

辻伸弘さん
写真提供=本人
辻伸弘さん

毎日のように、ネットサービスの不正利用のニュースが伝えられますが、僕は、それを聞いてもそれほど不安にはなりません。同じパスワードを使いまわしていないからです。もし使いまわしていたら、もうドキドキが止まらないでしょうね。同じパスワードを使っているサイトでは、今すぐにでも被害に遭う可能性がある、もしくは既に被害に遭っているかもしれないのですから。

漏洩したIDとパスワードは、あなたの知らないところで売買されています。そして第三者によって、通販サイトやアプリのログインに使われてしまう。でも、もしサービスごとに異なるパスワードを設定していれば、Aというサイトから漏洩したIDとパスワードを使ってBというサイトに不正アクセスしようとしてもできません。被害は防げるわけです。