キャラクターの“無償の愛”に泣きそうに

自他ともに認める人見知りというファラオさんに、こうした変化をもたらしたのも、あるキャラクターだという。

「僕が初めてピューロでグリーティング(キャラクターと触れ合うこと)したのは、エスプレッソくんというキャラクターでした。自分は根が暗いので、キャラクターにも人見知りしてしまってあいさつするのが精いっぱいだったんですが、エスプレッソくんはその壁を突き破ってギュッとハグしてくれて……本当に泣きそうになりました。『なんでこんな無償の愛を注いでくれるんだろう?』と。それからは、いよいよ『サンリオが好き』と言わないと気が済まなくなりました。『わかってほしい』という気持ちが大きいんです」

増えるグッズの置き場所が悩みのタネという。

「男のプライドを捨てれば天国」

かわいいキャラクターを愛(め)でるのは女性や子供の専売特許であり、大人の男がのめりこむものではない、という偏見も世の中にはあるはずだ。サンリオ愛を公言することに、抵抗はなかったのだろうか。

「僕は最初から特になかったですね。よくピューロでも、カップル客の男性がちょっとスカした態度をとっているのを見るんですが、『かっこつけんなよ』と思います。この愛を素直に受け入れろ、恥ずかしがってんじゃねぇよ、と。男のプライドがどうしても邪魔しちゃうんだと思うんですけど、壁をひとつ破ったらその先は天国ですから。ピューロランドが開園から約30年、サンリオ自体はもっと前から、こんなに長い時間成功してる企業なわけです。人の心をつかむ何かがあるに決まっていて、それを受け入れられるかどうかは自分の器次第なんです」

「サンリオ好きの男たちは、みんな言ってます。『男でもサンリオが好きだと堂々と言える世の中になってほしい』って。だから、多少は知名度がある僕のような人間が頑張って広めていこうと思ってます。もはや、謎の使命感ですね」

平井“ファラオ”光(ひらい・ふぁらお・ひかる)
お笑い芸人
1984年、神奈川県生まれ。サンミュージック所属。「馬鹿よ貴方は」のボケ担当。M‐1グランプリ2015年ファイナリスト。ツイッター:@hirapoyopharaoh
(構成=西澤千央 写真=尾藤能暢)
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