英語力は当たり前、異文化理解も重要
英語力育成に取り組む学校は多いが、それだけでは不十分と中曽根氏は言う。
「これからは、英語力がある上で多様性を受け入れ、異文化を理解する力も育成できる学校がおすすめです」
たとえば、渋谷教育学園幕張、渋谷教育学園渋谷では、留学生・帰国生の受け入れや留学プログラムの充実など、国際交流が活発だ。また、両校は海外大学への進学者が多いことでも知られている。
森上氏は「海外大学への進学を考えているなら、東京学芸大学附属国際などの国際バカロレア(IB)認定校も視野に入れてみては」と言う。IBとは国際的な大学入学資格が得られるプログラムで、教育改革の一環として、日本でも認定校を増やす方針が取られている。
スイスに本部を置く国際バカロレア機構が提供する教育プログラム。対象年齢などに応じた4つのプログラムがあり、ディプロマ・プログラム(DP)の修了試験で所定の成績を収めると国際的な大学入学資格が取得可能。2017年6月時点の、日本におけるIB認定校は46校で、DP認定校は33校。IB認定校のなかで、日本の学校教育法の1条校は20校。最近は国際バカロレアのスコア等を活用した特別入試を実施する日本の大学も増えている。
「IBは世界の大学からの信頼が高く、ディプロマ(DP)で高いスコアを取れれば、ハーバード大学などの名門校にも入学できます」
国際教育が充実した学校としては、「人気が急上昇中の広尾学園も外せない」と森上氏は言う。
「特にインターナショナルコースは、外国人教員による高いレベルの国際教育が行われています」
さらに、関東学院六浦、横浜女学院などでは英語で内容を学ぶ「クリル教育」、佼成学園ではモンゴルなど多様な海外体験ができる「グローバルリーダープロジェクト」、佼成学園女子では英語を使って教科を学ぶ「イマージョン教育」など、特色ある教育が行われている。
「佼成学園女子はSGH(スーパーグローバルハイスクール。国際的に活躍できる人材育成を重点的に行う高校として文部科学省から指定された学校)指定校です。また、SGHアソシエイト校の大妻中野も帰国生や留学する生徒が多く、国際的な感覚が身につきます」(安田氏)