2019年は非正規へのボーナス支給企業が増える可能性がある

非正規社員にボーナスを支給する企業が徐々に増えているとはいえ、多くは「金一封」的な金額しか支給されていない。先の東京都の調査ではボーナスを非正規に支給する企業のうち、年間5万円未満が27.8%を占めている。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/AH86)

以上のように非正規社員には暗い話が多い年の瀬だが、2019年は非正規へのボーナス支給企業が増える可能性がある。政府は働き方改革の一環として「同一労働同一賃金」を打ち出し、国会で法律が改正され、大企業は2020年4月、中小企業は2021年4月から導入されることになった。その内容はとても文字通りの「同一労働同一賃金」と呼べる内容ではないが、法律に初めて「賞与」が入った。

具体的には法律に「事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて(中略)当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない」と規定している。

わかりづらい言い回しであるが、たとえば会社の業績への貢献に応じてボーナスを支給する場合、正社員との貢献度が違う場合でも、その違いに応じて非正規にも支払いなさいと言っているのだ。

経営者が法律違反(ボーナス支給しない)をしても罰則はない

このことを解説している「同一労働同一賃金ガイドライン」では、法的に問題となる事例として次のケースを挙げている。

賞与について、会社の業績などへの労働者の貢献に応じて支給しているA社においては、通常の労働者には職務の内容や会社の業績などへの貢献にかかわらず全員に何らかの賞与を支給しているが、短時間・有期雇用労働者には支給していない

正社員には仕事内容や業績への貢献度に関係なくボーナスを支給しているのに、非正規に一切支給していないのはダメだと言っている。

また、法律では会社業績に対して正社員と同じ貢献をしていれば同じ金額のボーナスを支給しなさいとも言っている。

多くの非正規の場合は正社員とまったく同じ役割や仕事を担っている人は少ないだろう。

だが、役割や仕事内容に違いがあっても、非正規なりに会社の業績に貢献しているにもかかわらず、正社員が95万円ももらい、非正規は寸志程度の数万円しか支給しないのはだめだ(法的に不合理)と言っている。こうした法律改正とガイドラインによって、今後非正規にもボーナスを支給しようとする企業が出てくるかもしれない。

ただし、法律の施行によってどれだけの企業が非正規にボーナスを支給するかどうかはわからない。

なぜなら経営者にボーナスを支給しないのは法律違反だと文句を言っても、支給しなければ経営者が罰則を受けるわけではなく、最終的には裁判で判断されるからだ。

だが、裁判に訴えればボーナスを獲得できる可能性がより高まることになる。すでに2020年4月の法律の施行前に賞与などの手当を巡る訴訟が相次いで発生している。

正社員と非正規の格差を是正していくには、個々の非正規社員が正当な権利を勝ち取るための勇気も問われている。

(写真=iStock.com)
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