「根性論ではなく、きちんと道筋をつけてやるべき」

【松岡】スポーツでも勉強でも同じですが、まず技術的なこと――何をどれだけ勉強すればいいのか、を目標として書き込みます。そして、メンタルにかかわること――片づけをするとか、人の役に立つことをする、も項目として加えます。特に「人に喜んでもらう」ことはとても大切で、試合では誰かが応援してくれている、という思いが大きな力になるんです。以上を1枚のシートにして、一つずつクリアしていってもらう。

「熱血」で知られる松岡修造さんだが、物事を成すには「根性論ではなく逆算して備える必要がある」と強調する。『プレジデントFamily2019年冬号』より(撮影=堀 隆弘)

【石井】すばらしいですね。

【松岡】根性論ではなく、きちんと道筋をつけてやるべきなので。

【石井】子供は経験値が不足していますから、具体的に示す必要がありますね。父親としてそれができれば何よりすばらしいです。

【松岡】ただ、先ほども申し上げたように、自分の子供に対しては、なかなか一筋縄ではいきません。この記事が掲載されたら、家族から「詐欺だ!」と言われそうです(笑)。

石井美恵子(いしい・みえこ)
つくし会幼児進学教室代表
息子2人を慶應義塾幼稚舎に入学させた経験をもとに、1992年、小学校受験を専門にする幼児塾「つくし会」を設立。以来、四半世紀以上にわたり、独自の指導法で最難関といわれる慶應義塾幼稚舎をはじめ、早稲田実業、青山学院、学習院、聖心などの初等科に毎年多くの合格者を出している。
松岡修造(まつおか・しゅうぞう)
10歳で本格的にテニスを始める。1995年ウィンブルドンで日本人男子として62年ぶりのベスト8に進出。プロツアー卒業後、「修造チャレンジ」を設立。世界で活躍する次世代選手を育成している。テレビ朝日系「報道ステーション」などでスポーツの顔として親しまれている。著書に『弱さをさらけだす勇気』など。
(構成=千崎研司 撮影=堀 隆弘)
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