点数を追うだけではなく、モチベーションを明確にすることは必須。しかし、上にいけばいくほど、さらなる実力アップが容易でなくなるのは自明。勉強量でカバーしようとしてもやがて限界がやってくる。そこで、勉強法を量より質へと転換することが大切だという。
「リスニングであれば、とにかく多くの問題を聴いて解く段階ではありません。より正確に聴き取ることを重視するべき。860点レベルの人は、聴けばなんとなく意味が理解できてしまうと思いますが、隅々まで完璧に理解できるのとは異なります。例えば、冠詞のaとかtheまで、しっかりわかるレベルを追求しなければなりません。そのために私は、公式問題集を使ったシンクロリーディング(同時読み)をお勧めしています。CDを流しながら、同時にしゃべるやり方です。テキストは見ないで。そして、完璧に一致するまで繰り返します」リーディング対策には、洋書の活用も有効だという。
「実用書でもビジネス書でも、興味を持てる作品を通して生きた英語が学べます。日本語で読んだ本の英語版なら、内容がわかっているので入りやすいですね。私の場合は、村上春樹さんの作品が好きでよく読んでいますが、最近は『Kindle』で買うこともあります。わからない単語の上でクリックすると、その意味を表示してくれるので、非常に便利。おまけに省スペースなので、いつでもどこでも取り組めるのがいいですね」
時間内に全部読み終わる
また、900点台を目指すのであれば「すべての問題をきちんと時間内に読み終わるようになってほしい」と加藤氏は語る。
「1分間に180ワードくらい読めれば、時間内にこなせるはず。具体的には、リスニング問題のCDと同程度のスピードで読めれば、十分に間に合います」
単語に関しては、公式問題集に出てくる単語を、隅から隅まで完璧に理解する。
「新形式に対応した問題集が3冊出ていますが、問題を解くだけではなく、解いた後に全部読み直して単語を調べることを繰り返すんです。最終的に、この3冊の中に知らない単語は1つもないというレベルを目指したいですね」
なお、語彙問題を間違える原因は、英語を和訳して覚えようとすることに原因があると加藤氏は指摘する。