名詞か形容詞か。瞬時に見分ける

「受験者はテストの解法ばかりに目がいきがちですが、基礎力がなければ、解ける問題も解けません。500点台だと、高校レベルの英語を完璧に理解している人というのは案外少ないんです。基礎力とは大きくわけて、(1)品詞の区別、(2)文型、(3)文の要素と品詞の3つです。(1)は、単語を見たときに、文脈から瞬時に名詞か動詞か、もしくは形容詞か、判断できる力です。(2)は、中学か高校時代にS(主語)、V(動詞)、C(補語)、O(目的語)などといった構文を学んだと思いますが、この見極めです。パッと見て文の構造がわかるか。(3)は、S、V、C、Oなどに、どんな品詞が使われるのかに関する知識。例えば、名詞は主語になったり、目的語として他動詞の後ろにきたりしますね。こうした基礎を徹底的に復習すれば、英文が見違えるほど読みやすくなります」

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初心に帰って基礎を見直すのは、遠回りのようでいてスコアアップに直結する近道だ。

試験当日を迎える前には、必ず本番どおりの時間で解いてみることが欠かせない。

「どれだけ問題集をやり込んだとしても、試験会場で初めて2時間で200問解こうとするのは論外です。フルマラソンを走る選手は、大会の前に42.195キロを何度も走ってみて、自分のペース配分をあらかじめ知っておく必要があります。TOEICも同じ。まとまった時間がなければ『今日は45分でリスニングだけやろう』『明日はリーディングを75分で』と区切ってもいいでしょう」

テスト本番では誰しも時間との戦いを強いられる。落ち着いて当日を迎えられるよう、準備も怠らずに臨みたい。

高橋基治(たかはし・もとはる)
東洋英和女学院大学教授
指導歴20年以上。国連英検特A級の面接官。独特の視点に基づく著作や講演で、スコアアップの秘訣をレクチャー。著書に『マンガでおさらい中学英語 英文法マスター編』(KADOKAWA)、監修に『英語シナリオで楽しむアナと雪の女王』(学研プラス)など。
(撮影=生駒安志 写真=iStock.com)
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