あらかじめ回数や上限金額を決めておくことで、支出を抑制しやすくなる。夫は月2回ほど趣味のマラソンやトライアスロンの大会に参加しているが、遠方で開催されることも多く、交通費や宿泊費がかさむことも少なくない。上限などは決めていなかったため、日程が許す限り、積極的に参加してきた。
田淵家の場合には、今後、子どもが生まれれば、教育費などが必要になるし、そろそろ自分たちの老後資金も気になる時期だ。どうしても譲れない「ムダ」と言い切れない支出があるなら、その分を他の支出を削るなどして、家計にメリハリをつけることもポイントになる。
横山さんのアドバイスに従い、田淵家は支出削減に着手した。まず夫の支出では健康・医療費のうち栄養ドリンクをやめる、サプリを減らすなどして1万6000円の減額。娯楽費は交通費が高いところや宿泊費がかかるところで開催される大会へは出場しないことをルールにして月平均1万円減額。
次いで妻の支出では、衝動買いが多かった化粧品や美容液をカットして理美容費を1万円減額。健康・医療費は、美容鍼灸とコラーゲンサプリの利用回数を減らして1万8000円を減額。食材は衝動買いしたものも多く、実際には放置していたものも少なくなかった。細かな部分にムダは潜んでいる。それらを見直すことで食材費1万円弱を減額。
また、習い事費は夫婦で通っていたトレーナー付きのジムのコースを変更することで4万円の減額。
結果、毎月の収支をプラス10万円以上引き上げることに成功した。
「大きな進歩ですが、1カ月の支出が46万円以上かかっていることを考えると、まだ工夫の余地はありますね」
田淵家の場合は、夫婦別財布であることが支出を見えにくくしている。今後ムダな支出を切り詰めていくには、財布を1つにしたり、どちらかが積極的に家計管理をしたりして、収支を見えやすくしたい。