また海外出張が多いユーザーにとっては、SIMカードが2つ利用できる「デュアルSIM」仕様なのも見逃せないポイントだろう。日本向けモデルは、物理SIM+eSIM(ソフトウェアによるSIM)によるデュアルSIM仕様となる。
ドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリア(MVNOを含む)がeSIMに対応していないので、当面国内では使えない。だがSIMロックさえ解除すれば、SIMカードを入れ替えることなく海外のモバイル回線を利用できる。
eSIM対応のキャリアは現在10カ国14社。米国に3社、ドイツとインドがそれぞれ2社。そのほかイギリス、オーストリア、カナダ、クロアチア、チェコ共和国、ハンガリー、スペインが各1社と少ないが、主要国は押さえている。
一方、香港やマカオを含む中国ではeSIMの利用が認められていないため、これらの国や地域向けのiPhone XSは、物理SIMを2枚挿せる仕様になっている。香港仕様のモデルは日本の周波数に一部対応していないものの、ヘビーユーザーを中心に個人輸入などで人気が出そうだ。
もっとも、auの「世界データ定額」など国内キャリアのSIMを使った低価格のローミングサービスも充実しているので、社用携帯を持つビジネスパーソンや観光旅行で海外に行くユーザーにとっては、特に気にすることではないかもしれない。
大画面モデルの名称は「Plus」から「Max」に
2014年のiPhone 6シリーズから、通常モデルより大画面の端末として「Plus」モデルがラインアップに加わっていたが、iPhone XSシリーズではPlusからMaxの表記に変わり、「iPhone XS Max」というモデルが登場した。iPhone 8とiPhone 8 Plusでは、カメラレンズの数や手ぶれ補正機構で差異があり、確かに“Plus”な要素があった。一方、iPhone XSとiPhone XS Maxでは、画面サイズが5.8インチと6.5インチで異なるものの、それ以外のスペックはほぼ同じだ。追加要素が少ないことから名称変更したのかもしれない。