有名コイン、10年前は500万円前後だったが今は2500万円
国内外問わず、根強い人気を誇るコイン。
「以前は歴史好きや、コインそのものの持つ味わいが好きという方がコレクターの中心でしたが、ここ最近は海外、特に欧米を中心にコインを投資対象として考える人が増えています」(銀座コイン・竹内俊夫氏)
その魅力は、コインが持つ特殊性だと言われる。
「過去のものですから、現物が増えるようなことはありません。次に小さいので持ち運びが便利。災害時でもポケットに入れて持って逃げられます。そして、国際性が強い品物であるということ。世界中にコインディーラーは大勢いますし、オークションも活発に行われています」(同)
自身も銀座コインオークションを主宰する竹内氏。コインの評価(値段)を決めるポイントは次の3つだという。1つは「数」。少ないほど希少価値が高く、値段は上がる。2つ目が「状態」。そして3つ目が「人気」だ。
「人気があるものは、デザインが優れているケースが多いですね。例えばイギリスのコインは歴代の国王の肖像と紋章が入っていたりして、見ても楽しめる芸術性の高いものです」(同)
これまでで最も値上がりしたと言われるコインが、ヴィクトリア女王時代の1839年に発行された5ポンド金貨。表はヴィクトリア女王の肖像で、裏にウナとライオンが描かれており、世界一美しく、人気があると言われている。
「このコインは発行数が400枚程度で希少性が高いんです。10年前は500万円前後で取引されましたが、今なら状態がすごくいいものであれば、2500万円はするでしょうね」(同)
この金貨は別格だが、数百万円で購入でき、価格が上がる可能性が高いものとして、竹内氏は以下を挙げてくれた。
「主要国の金貨や銀貨の中にはそういったものが多いですね。例えばスイスで1925年に発行された『アルプスの少女の100フラン金貨』、イタリアの『ヴィットリオ・エマヌエレ三世の5リラ銀貨』は、希少性もありますし、とにかくデザインが優れています」
絵画のようなヨーロッパの金貨が人気
●ヴィクトリア女王「5ポンド金貨」の値段
・2007年/500万円
・2017年/2500万円
ヴィクトリア女王「5ポンド金貨」のなかでも、1839年に発行されたヤングヘッド肖像の「ウナとライオン」は人気が高く、値段が高騰。10年で5倍に。
●投資のポイント
・現存数が少ない
・状態がいい
・人気がある
・デザイン的に優れている