「1回の食材の買い物は3000円以内に収めてください」
「ひと月の食費はどのくらいかかっていますか?」と尋ねてみると、「たぶん6万円から7万円くらいだと思います」との返事。「光熱水道代はわかりますか?」とたずねると、「母親の口座から落ちているはずですが、よくわかりません」との答えでした。
「私はこれからどのようにやりくりしていけば、生きていけるのでしょうか?」との問いかけに対し、手を付けやすい食費のやりくりから話し合いをしてみました。その結果、食費を1週間単位でやりくりするプランを提案。1回の買い物予算は3000円、週に2回までに買い物回数を抑えるようにアドバイスしたのです。
1回の買い物が3000円以内に収まれば、1週間6000円×5週=3万円になります。女性のひとり暮らしですから、この予算でもなんとか収まるのではないかと考えました。
▼テレビを見ながらお菓子を食べるのが習慣化
「3カ月に1度くらい、友人と食事に出かけます。その費用も食費の中に入れなければなりませんか?」との質問に対しては、交際費として、「別の予算にして構いません」と答えました。
本人は自宅でテレビを見て過ごす時間が長いため、テレビを見ながらお菓子を食べるのが習慣化しているとのこと。身体を動かす機会が少ないため、若い時に比べて20キロ以上太ったと言います。食事作りも長年母親任せだったために、ご飯作りが面倒で、お腹がすくとインスタント食品などで済ませてしまう機会も少なくないそうです。
そこで、「まずは3食をきちんと食べましょう。朝や昼を抜いたりすると、余計にお菓子が食べたくなるでしょうから、3食の食事作りを自分のこれからの仕事と考えてはいかがでしょうか」と伝えてみました。お菓子やインスタント食品で食事を済ますのは健康的にもよくありません。しかも、ひと月の支出がつかめないまま、ただ時間だけが過ぎると、貯蓄はどんどん減ってしまいます。
すでに心の病気によって障害年金を受給しているため、多くの課題を出すことで、心の状態が悪化する可能性もあります。そのため、食費のやりくりができるようになったら、光熱水道代や日用品など、家計費のやりくり法を少しずつ検討していくことにしました。