それとは反対に、きれいな靴を履いていれば、「今日の自分は、大丈夫だ!」と自分を肯定することができます。人は誰だって、無意識のうちに自分で自分を判断しています。特に靴は、いつでも自分の視界に入ってきます。いってみれば、きれいな靴はいつでも「大丈夫だよ」とエールを送ってくれる存在でもあるのです。靴は扱い次第で、強固な鎧にも、もろい鎧にもなる存在だということを覚えておいてほしいです。

きれいな靴を履くだけで信頼感が上がる

4)信頼感がアップする

靴はビジネスアイテムの中で、もっとも汚れるもの。汚れるのは当たり前ですが、汚れているのが当たり前だと思っている人が多いことが問題です。皆さんの周りを見回してみてください。ホコリっぽかったり、キズが目立ったり、泥がはねていたり、靴底がすり減っていたり……、そんな靴を履いている人というのは意外と多いものです。だからこそ、「きれいな靴を履いているだけで、一気に信頼感が上がる!」という事実が生まれます。

靴を気遣うほど、靴はそれに応え、深く長い付き合いが続いていく。

やはり、きれいに磨かれている靴を履いている人と仕事をすれば、きちんと丁寧に対応してくれそう、スケジュールを守ってくれるだろうと思うはずです。反対に、汚れている靴を履いている人は、心の余裕がなさそう、時間管理ができていなさそう、セルフマネジメントどころではなさそう……と不安な気持ちがよぎります。実際にそうなのかは別として、そんなふうに思われる可能性が高いのは間違いありません。人と関わる仕事がうまくいかない。そんな悩みがある方は、基本中の基本である「足元」を意識する必要があるかもしれません。

5)身だしなみが洗練されてくる

靴がきれいになることで、カラダの下から上へと「洗練さ」が波及していきます。よく手入れされた靴を履くと、足元がスッキリ気持ちいい。すると靴下に気を遣うようになり、次は、パンツの丈やシルエットが気になりはじめ、続いてきちんとしたサイズのスーツを着るようになる。ワイシャツもカラダに合ったものを選ぶ。ウエストにも気を配りはじめ、生活も改善される……。このように、好循環が生まれ、全身が洗練されていきます。これは靴ならではの特徴です。初めに仕立てのいいスーツをそろえた人で、足元まで気を配れない人はいます。

しかし、靴を大切にしている人に、よれよれのスーツを着ている人はほとんどいません。なぜ靴が、こうしたメリットをもたらしてくれるのか考えると、その答えとして 「ベーシックなものへの『見る目』を養ってくれる」ということが挙げられます。靴を大切に長く履こうと思ったら、やはりベーシックなデザインのものを選びます。そしてスーツやシャツやパンツも、やはりベーシックなもののほうが印象をよくし、人に違和感や不快感を与えることはありません。「洗練さが増す」ということは、「ベーシックなものの選び方がうまくなる」ということと同じ意味なのかもしれません。 外見(服装)を整えたいと考えている人は、「まず靴から」がもっとも近道です。ベーシックへの「見る目」を磨いていきましょう。