まずは純粋な好奇心に従って行動してみる
もちろんオフに何をするかは人それぞれでよいと思います。ただ、もしアドバイスをするとしたら、まず純粋な好奇心を大切にしてほしい。給料を稼ぐためとか、家族を養うためにやらなくてはいけない、というものではなく、自分が本当に何を食べたいとか、こういう人と話してみたいとか、自分をわくわくさせてくれる純粋な気持ちです。
そんな好奇心が湧きあがってくるものは何だろうと改めて自分に問うてみる。そして、それがわかったら実際に行動してみる。そしてそれを味わったり楽しんだり失敗したりすることが、持って生まれた自分自身の固有の資質を磨く原動力になるのではないかと思いますね。
私は、学生時代から1泊2食で数百円の格安宿なんかを見つけて、日本中旅行してきました。当時から、好奇心を持ったら行動せずにいられない性格だったのですね。そして旅先でおいしいモノを食べながら地元の人と語り合い、仲良くなるのが大好きでした。旅先で助けられた人と交流を続けたりもしました。
私にとって大切なことを教えてくれるのはやはり人。人と話し、人とつながり、人から学ぶのです。
今、普段の週末はゴルフをすることが多い。そこでも人と楽しくコミュニケーションを取ります。
ただし、理想的には1週間に1日くらい家でごろごろしている日もつくりたい。仕事のことは考えず、ぼーっとしたり、散歩をしたりする時間というのも絶対に必要です。そこで悩んでいた課題の答えやアイデアがぱっと浮かんだりする。今はなかなか難しいのですが、何もしない時間も少し増やさないといかんとは思っています。
ただし、いつもぼーっとしているだけではいけません。最近は「海外なんか行かなくてもネットで情報を取れば十分だ」とか「ただ家族で平和に暮らしたい」という若い人が増えているという話を聞きます。
しかし現実には当社を含め、グローバル企業は今、世界各地の前線で大変な戦いを強いられています。知らない国に進出すればゼロからの出発になりますし、いったんその国で頭角をあらわしたら現地企業などから猛烈にライバル視されたり無視されたりもする。そこを克服するための挑戦力を磨くには、ただ平和に平凡に生きていけたらよいというスタンスでは無理でしょう。
オンでもオフでもいつも冒険心やチャレンジ精神を持ち、そんな人生をエンジョイできる人が、公私ともに成功を収めるのだと思います。