▼力あわせ、未来ひらく。共産党
一貫して政権を批判している。安保法制をつくり改憲を目指す安倍政権の政策を攻撃するのはもちろん、森友・加計疑惑などについてもスペースを割いているのが特徴。
さらに特筆すべきは、希望の党を批判していることだ。「自民党政治の中枢にいた人」、「民進党を離党した人」、「ウルトラ右翼の潮流の人」が集まって結成されたとして「自民党政治の補完勢力」と断じている。この書きぶりを見る限り、希望の党と共産党を含めた「反自公」勢力が結集するのは難しいことがうかがえる。
一方、立憲民主党、社民党については「(野党)共闘の道を勇気を持って誠実にすすもうという政党」と評価している。
共産党は消費税の増税に反対している。そのためか社会保障や教育を充実させる財源について5ページも割いている。「反対するだけ」という批判への反論なのだろう。
▼まっとうな政治。立憲民主党
民主党の流れをくむ立憲民主党。代表の枝野幸男氏は、一連の民主党マニフェストづくりにも幹部としてかかわってきた。その先入観を持って公約をみると、かつての民主党のマニフェストとは随分違うことに気づく。
例えば原発。民主党時代は「2030年代ゼロ」とうたっていたが、立憲民主党の公約には「1日も早く」という表現はあるが「30年代」はない。その点をもって後退したという見方もあるだろう。
ただ、現実は少し違うようだ。マニフェストは政権を取ったら実行する政策リストのこと。今回、立憲民主党は単独で政権を取れる候補者数を擁立していない。つまり立憲民主党政権は、誕生しない。
さらにいえば厳密な意味でのマニフェストをつくる資格を、まだ持たない。であれば、今回の衆院選では、約束できない年限を書かないという判断だったという。
マニフェストを知る故の「誠実さ」ということもいえるが、読んでみて物足りない印象を持つ人もいるかもしれない。