中国バブルが崩壊するとき
他方、中国の研究者の間には、「一気にバブル崩壊を導いたとする日本の『総量規制』のようなやり方は禁じ手」という認識がある。日本ではバブルつぶしのために、建設、不動産業向けの貸し出しを制限した。これが総量規制と呼ばれている。日本を反面教師にする中国では、一気に市場を崩落させるようなことはしない、というのだ。
筆者は「中国で住宅バブルはいつ崩壊するのか」と中国の金融の専門家に尋ねたことがある。その回答は「それは中国政府が市場をコントロールできなくなったときだ」というものだった。
中国では「住宅市場がクラッシュする」と考える人は少ない。むしろ、住宅価格は微増ながらも上がり続けていくだろう、という予測が強い。コントロールすることで崩壊を避ける――これこそが共産党国家が支配する中国不動産市場の「妙味」なのである。